エレベーターに乗る夢を度々見る。
行き先は高層階。
最上階にあるスーパー銭湯だったり、その時一緒にいる人の家だったりで用事があって二十何階まで一気に昇るのだ。
当然低層行きを見る時もあるが、低層エレベーターは普通なので何も問題ない。夢の内容はおかしくても低層エレベーターは基本普通。
なのに高層エレベーターがおかしいんだ。
透明なんだ。
ケーブルで繋がらずぶら下げられたり飛んでいたり。天井、床含め全面透明。スッケスケ。
そして基本的に到着時に別角度の乗降口につけるため回転する。普段通りまっすぐ上がってから俺たちの乗っている箱をぶんと振りながら角度を変えるのだ。
斜め下に見える地上。廊下が透けてる全フロア。くっついたり離れたりする降り口。
ああああああああああああしがすすすすすすすすすくんでえええええおろりりりりりおりれないよねえええええええええええええええええええ????
他に乗ってる人たちは普通にしている。俺だけがおかしいかのようにそれが当然の世界。
落ちれば死亡待ったなしの場所で床の境目がどこかも確認せずスイスイと降りていく。
役所のようなところにある図書館も。
住居棟のみの建物も。
屋上に庭園があり、ビオトープを抜けた先に銭湯がある幻想の世界ようなビルも。
全てが透け透け。ぶんぶんのぐわんぐわん。10人くらいで乗るものも、20人以上で乗れそうなものも。すべてがスケルトンフライボックス。
正気になれ。
最近見た夢だと、ちょっと降りるの遅れただけでエレベーターが廊下から離れようとして急いで降りることを表明したらドアが半分だけ開いて、50cmほど離れた廊下に飛び移るんだが失敗して廊下の端スレスレのところで尻をついてしまった。
捕まるところもなく、後ろには壁もなく、正面側に人もなく、ビビりによって体幹もなく。
背中側に倒れたら落ちて死ぬ、落ちたくない落ちたくない。恐怖で目が覚めた。
そこまでの道のりにあった約束を違え目的地に着くこともなく。
面白い夢がこんな終わり方をするなんて、すぐに寝直せば続きを見れるかもしれない。でもこのエレベーターのことは覚えておきたい。とごちゃごちゃ考えている間に夢は遠ざかっていく。二兎追うものは一兎も得ない。
惜しいやら悔しいやらホッとしたやら。
人というのは高いところから落ちたら死ぬようにできているんです。なのにどうしてこんな無茶を。安全なものを作って安全に生きていただきたいものだ。
斜めに上がっていくものもあったなぁ。
斜め下の乗降口すぐに目的地があって、行き過ぎたと思った。
でも今乗ってるエレベーターではそのフロアには向かわないので、もうひとつフロアを上がってからエレベーターで降りろと。
皆さんご存じだと思うんですけど、透明エレベーターの下りめっちゃ怖ぇ。
重ねて言うが安全なものを作って安全に生きていただきたい。
これに関しては夢の施工業者さんを問いただしたい。
問いただして、直してもらうように言って、普通のものにするつもりがないなら俺の夢から出ていってもらって、そして
今宵、あなたの夢に現れるかもしれない。透明なエレベーターが……。