2話 アサシン (Assassin)
















DVDの特典に書いてあった、最初の本の内容。
英訳サンクスぐぐる翻訳だそうだ。

彼は言った「僕が見ている世界が真実だというのなら、君の姿も、触れられる手も本物ということになる。だけど僕にはそれがどうしても本物だと思えないんだ。」
彼の言葉に少女は少し寂しそうな顔をする。
どれだけの間、少女が彼を待っていたか彼は知らないのだ。
ここにいることも、ここに呼ぶことも、どれだけ待ちわびたかわからない。
平気な顔をして絶望に呑まれた少女は、世界を崩し始めた。
彼といることも、彼がいることも。全ての意味がなくなったのだ。
「どうして」
褒めて欲しかったわけではない。
閉じ込めたかったわけでもない。
ただ言って欲しかっただけだったのだ。
「頑張ったね」と。

少女は箱庭にいた。
何十年もの間、独りで。
ただいつか会えることを期待して待っていた。
それが壊されるとは考えずに。

腕につけていた時計は5時を指している。もっとも、割れて壊れてしまっていて正しいかどうかはわからないが。
少女の部屋から落とされた彼は、何もすることなく座っていた。
自分の知った顔をした少女が、自分のことを待っていると聞いたとき、少なからず喜びを感じたものだ。
なのに何故否定するようなことを言ったのか、自分でもわからなかった。
唐突に連れてこられたことに対する反発だったのか、少女のことを嫌っていたのか、憎んでいたのか。
なんの準備もなく対面したことに焦ったといえば言い訳になる。
少女との再会は、もっと違う形で起こると思っていたからだ。
彼は自分のしたことの意味に気付いていた。
最後のチャンスだったのだ。
それを自分から壊した。悔いても悔いきれない。