snow know


俺は雪を求めに来たんだよ。予定組んだ時はどのくらいから降るかわかんなくて、直前にすごい!この時期にこんなに降るなんて!って言ってたからちょっと期待してたんだよ。なんでかな。このくらいなら年イチで大阪もなるんだよ!

ということで今日は雪を求めに行くぞ!!俺はホワイトスノーにロマンスを感じるんだ!!全部雪のせいだ!!!
山とかまだ全然枝ぶりを感じるけど何も!そんなの!関係!!ない!!!
雪のありそうなところは目星をつけているんだ!向かうぞ!

なおこの日記は写真の明るさとかコントラストとかほぼ調整してないカメラそのものの色情報のものが多いことを申告しておく!俺のPCモニターが暗いのかカメラが暗いのかはよくわかっていない!

 


幾分かの坂を乗り越えてやってまいりました。幾分どころか結構な坂だったので健脚さを求められている気がしないでもない。
色が完全に溶け込んでいて元々こうなのかどうなのかさっぱりだが滝沢公園だ。ホテルからすぐの広い公園だと考えてやってきたが遊具などない。


あるのはただただ雪、そして川。10cmほどの積雪と遊びながら前に進もう。


辿り着くのは人口の水の壁。
なるほどー。これが滝かー。


道の横に階段を発見、雪の階段なんてそうそうあがれないのでひょいひょいと登ってみるぞ。


先刻の滝の高さにもあがって、これはこれでまた違った景観でいいな。

数人が通っただけの轍を外れるとそこには柔らかな白い妖精たちが羽を休めている。目に見えない程の姿に日光を纏って、息を潜めるように。しかししっかりとした存在感を主張する。俺はそんな場所に来れたことが嬉しくて。


とりあえず荒らしていく。ヒャッハー新鮮な雪だー!!!!


少し歩くと見つかるいかにも「道しるべ」な異物。俺は知っているぞ、これの雪を掃っておくことで後で別のイベントが始まるんだ。
ざくざくと斜面に乗った雪を掃ってみると……。


た………………き…………?
えっ、さっきのは滝じゃないの?ダムかなんかでよかったの?ゴールっぽかったじゃんなんで。


振り返れば街は遠く、よくみた道路の色とは違う風景が目の前に飛び込む。
この程度の景色ですら俺にとっては異世界で、こんなにもたくさんの雪を眺められることに旅に出られることのありがたさを感じた。


雪にまみれた橋も滅多に見られたわけじゃない。
視界の端にロープウェイの紐が見えるが今日は運休日、山頂まで行くのならその足で降りるしかない。先の見えない不安が少しだけ襲う。先人の足跡だけを頼りに歩を進める。


向かいから帰ってくる人がいてホッとして、後ろから追い抜いていく人がいて胸を撫でおろした。大丈夫、俺はひとりじゃない。


橋を左に進むと飲み水がかけ流されていた。疲れた体にしんと染み入る冷たさだ。
先程追い抜いて行った人たちとまた交差する。


手をつこうとする岩場には寒さに耐えて身を委ねる植物たち。


もうひとつだけ、小高い丘を越える。道がどうなっているのかは確認することはできない。
踏みしめられた雪は氷に姿を変える。細心の注意を払って一歩、また一歩。もう先に人はいない。ごくり、と熱を持った液を飲み込む。


清涼な音が大きくなっていく。沢があって滝がある。名が体を表すのは今だ。


ここまで進んできたものとは異なる自然の創りだした道が目の前にある。眼下一杯ではないけれど充分に雄大だ。
こんなにも美しく、激しさと穏やかさを兼ね備えたものを俺たちは造れるだろうか?


飲み水のところから実はゴールは見える。けどやはり近付かないと見えないものもあるもんだな。そこに必要な労力が10分もないのなら向かって損はないだろう。場所が場所だけに足場が悪いので可能な場合のみだが。
ここと滝の間に不動さんがいるので不動滝。全てを見てやっと全部が繋がる場所なのだろう。


帰りは皆元の道を通るが足跡のない道もあったのでそちらを使って帰る。

先人の姿を見て勇気をもって進んだものだが、無人の場もまたいいものだ。誰かが始めないと次は続かないことも、その後手を付けなければ無へと埋まってしまうのも自然は教えてくれる。
俺のこの跡に続いてくれる人はいるのだろうか、それとも俺のいた跡が最初からなかったかのように溶け消えるのか、はたまたついてくる人がいないまま埋もれて大昔にあったものだという欠片の情報だけ残るのか。

勉学にも、文化にも、ネット世界にも、現実にも、人生にも、全てに言えること。考えるきっかけはこういうところからやってくる。
他の観光先が閉まっていたから半分致し方なく来てみたような場所だったが、ひょっとするとここに来させるために全て休みになったんじゃないかと思えるくらい「来てよかった」と思えた。それは普段接しない自然と触れたからかもしれないし、ただ遠くを見るのを忘れていたからかもしれない。

現実から逃げた先で非現実が持ってきた明日へのアクセントなのだとしたら、俺はこの気持ちや景色を大事にして、忘れずに過ごさなくてはならないだろう。
強制されたものではないから、押し潰さないように、押し潰されないように。

 

 


宿についてほっと一息。


あたたかいお茶とお茶菓子でゆったりとした時間を過ごし………………えっ明日7時くらいに起床?そうだな確かに風呂いくもんな早寝するっきゃないよな旅館は2泊以上必須なのを実感するぜ。
続きは次の日記ってことで夢の世界に旅路を移すぜ!!