デッドリー

何故人を殺してはいけないのか。

相棒でそんな話がやっていた。
いや、2週連続なので今週もなのだが。
殺してはならない理由を教えてくれという話だ。

果たして殺してはならない理由は本当にあるのだろうか。
殺してはならない理由があるのではなく、傷つけていい理由がないのではないのか。
たとえば、相手を殺すほどではないが殴り続けて血まみれにした時、それは人として認められているか?
それだって一般的意見で言えば禁止されていることだ。
行き過ぎたから禁止されているんじゃない。
命に関わるから禁止されているんじゃない。
その前のことすら止められていることから目を背けているだけだ。
自分のしたいことだけが問題なのだと思い込んでいるだけだ。

作中でも言っていた緊急避難もそうだし、正当防衛だってそうなんだが、必要に駆られれば暴力は許容されている。
ということは、単純に必要なことではないから禁止されているといえる。
単純に快楽として他人を傷つけるから、してはいけないと言われるのだろう。
それはどんな暴力でも同じこと。
なら簡単な話、殺したいなら危険な場所にいけばいい。
他人を殺そうとできるのは殺される覚悟がある奴だ、という言葉があるが似たようなもんではあるな。
違うのは仕組まれたサバイバルではなく、やろうと思えば無双できる条件になるってところか。
なのにそんなところに行こうとせず、自分が死ぬ可能性を拒んで他人に危害を加えようとするから咎められるんだ。

たとえば。
相手が自分を殺すことを承諾して、かわりに50発ほど殴らせろと言ってみるとする。
殺したいのであれば殴られることだって構わないだろう?
相手は死ぬんだから自分がぼろぼろになるくらい安いもんだろう?
殴られるのが嫌だと言うのなら、それは殺してはならない理由に直結する。
さらに、殴る際に頭部を狙って目潰しなんてして最終的に逃げられる結果になるとしても、自分が殺したがらなければ何も無く済んだ話だ。

罪に問われる、問われないを考えなければ「できなくはない」ことなのに、できないのは自分の我侭じゃないか?
危害加えたいって時点で我侭だってのに、1から10まで自分の意見だけ通ると思うなよって話。
きちんと自分が譲るところをつくれば、場合によっては不可能じゃない願いなんだよな。

あとあれな、人間を殺したいって言っときながら火器に逃げる奴は覚悟がないと思っていい。
殴ったり刺したりした時の感触を覚えず終わる欲なんて忘れてしまうものなんだから、やるなら最後まで抱えろと言いたい。
死んだ意味を残さないってんなら言葉のナイフで満足してろと。
心すら傷つく覚悟がないのなら夢は夢で終わらせておけと俺は言いたい。

殺してはならないのではなく、傷つけること自体がいけない。
殺してはいけないのではなく、不必要なただの快楽だからダメ。
問題に対しての解答は自分の中にしかないものだから正答なんてないもんだけど、俺はこういうことだと思う。

自分の中の価値観や綺麗事で言いくるめることの多い問題だから、感情で答えを押し付けないようにしていきたいなぁと思う今日この頃であった。
まとまんねー問題だなぁ。