童話のような何かを随分前に書いたんだが、公開するところが無くて長い間お蔵入りになっていたのを今日見つけた。
子供向けとしてひらがなに直すと何か違うし、かといって小説に書き直すと味がなくなるものだろうということでどうしようもないので公開してみる。
元とはちょいこら違う。句読点抜いたり文字追加したり。まぁそのくらいだ。
一体この作品をどうすればよかったのか、それは未だにわからない。
気が向いたらどっかにネット公開後のものでも大丈夫なところに投稿してるかもしらん。見つけたらpgrしてくれ。多分ありえないことだが。
「西の島の伝説」
とても西にある島
101人しか住まない島
そこには1つの言い伝えがありました
それは100人の人を殺せば英雄になれるというものでした
その言い伝えを毎日聞かされていた青年は
ある日 友人に“自分は英雄になる”と言い
1本のナイフを持ち 町へ繰り出しました
1人 また1人
青年は人を殺しました
青年は島で犯罪者として指名手配されました
ですが青年はその包囲網をすり抜け
今日もまた1人殺します
数年後
99人の人を殺し
最後に気付きました
100人目は 友人しか居ないことに
青年は泣きました
何日も 何ヶ月も
その様子を友人はただ見ているだけでした
逃げることも助けを呼ぶことも無く
数ヶ月経ち
青年はまたナイフを手にしました
そして友人の前に立ち言いました
「俺は今まで99人の人を殺した
そして今日、100人目を殺して
俺は英雄になる」
言い終えた青年はナイフを振りかざしました
次の瞬間
青年は英雄になりました
100人殺した英雄に
そして島には1人の人だけが残りました
残った人は家の裏に墓を作りました
大切な友の墓を
そして彼は泣きながら
英雄のナイフで自分の体を貫きました
したたる血は涙と混ざり墓を染めます
ぽたり ぽたり
泣いているのは青年の友人でした
友人は泣きながら命を落としました
証人の居なくなった英雄は
誰にも語られぬ英雄となりました
それは西の島の物語
100人と 1人殺した
犯罪者の物語