本日がラストオーダーです。
流れに乗って行っちまおう! LUK料理10品!!
サルのしっぽ炒め
これがまたコリッとしてうまいんだ~。軟骨みたいな。
スタイルとしては「塩コショウ」「てりやき」「醤油・みりん・砂糖の甘辛焼き」の3種が定番。
骨を取るのが大変という人もいるけど、骨と肉の間が一番美味いところでなー。食いだしたら止まらない。
ミックスジュース
作る人によって味が変わる。そういう難しい飲み物だと思わないか?
リンゴ風味・バナナ風味・桃風味・オレンジ風味。一番強調される味がそれぞれ異なるんだ。
全てを同じ配分で作るとアクセントの無い中途半端なものになる。だから一つずつ差がでてくるんだが、ミックスジュース好きな人ほど凝りようっつーか凝りレベルが高くてな。
一回飲ませてもらったんだけどもふわっとした甘みの後に酸っぱさがあって、飲み干したらまろやかな後味があってなぁ…。
レモンを隠し味に入れてるんだって言ってたが、丁度いいバランスになるまで長かったろうに。よくやるなぁと思ったさ。
本人曰く、「隠し味の名前を言っただけじゃ他人が全く同じものを作ることはできない。真の隠し味は曝け出してこその隠し味なのさ」。もう何が何やら。
大学いも
飴が奥歯にくっついて取れない………orz
スイートポテトに続くさつまいも定番料理だとは思わんかね。
さつまいもの味を逃がさないようにシロップをつけるというのは難しく、大体がシロップにさつまいもが負けてしまう。しかも毎回同じものなんて分量や時間を覚えていてもできはしない。
だからこそ味がどうだとか考えず、甘さに身を任せて食べるのがこの料理だと思うわけだ。
口の中で広がる甘ーーーーーーーーーーーーーーーっっっさ。爪楊枝一本持って、疲れたときにお世話になる勉強のお供だ。縁日でもあるよな。
シロップが髪に付くとかいう問題は永遠に改善されないんだろう。お気を付けを。
古代魚の活造り
活け造りなのに蒸し料理とはこれいかに?
そうお思いの方もいらっしゃるでしょうので訊いてみました。
元は全て生だったのですが、ミッドガッツの人々が生魚に慣れていないので調理してみたところ、名前はそのままに蒸された方の料理が広まってしまったとのこと。
蒸した時点で名前変えればよかったのに、名前の後に「蒸しガッツ風」なんて付けたもんだからそこだけ削除されたとか。
所見の人は唇を食べるのにとても躊躇します。他の料理でタン食べてるんだからそんな気にしなくても…。
サソリの炒め物
食いにくい胴なんて捨てちゃいなよとお告げがあったのか、尻尾以外は一切使わない。
選び抜かれたサソリの尻尾という材料に妥協はしない!
炒めるときに少しの間蒸し焼きにするのもポイント。しかも蒸す時は決して鍋の蓋を使わず、数枚の葉で埋めるようにして蒸す。
共に炒められる短い足はマニアの間では根強い人気があり、サソリの尻尾よりも短い足を食べるために店に来るお客さんも居るだとか。
この料理、風味を消さないためにわざと緑ハーブを使わず毒を残した状態で料理します。もちろん死ぬほどに強い毒ッ気は残っていません。
不安な人は緑ハーブを持っていくか、飲み物に緑ポーションを頼むといいかと思います。
強運の汁
鍋の中で煮立ってるとこをスプーン渡される体験は初めてでした。
この企画、半分以上が初体験で色んな世界を見せてもらってるんで今更な感じがするけど。
外見は闇鍋って感じのとこがあるな。恐ろしいものが浮いているというか。これは食うべきなのか? とか。
食える具からチョイスさせてもらったが、具は具で普通。汁が染みてるかというとそうでもなく、絡み付いてるかと言われるとそうでもない。
「大丈夫、怖くないよ」って言いながら易しく具の手を取っているとでも言おうか。
スープ自体も恐ろしく考えすぎることはなく、コンソメスープとクリームシチューを足して2で割った味。濃すぎず譲り合っている軟らかさ。
鍋から直に食おうとさえ思わなければ一般的な家庭料理。
串焼き
豚牛牛鳥ピーマン牛ベビーコーン豚鳥豚。
とても悪い例に見えるのは気のせいではないだろう。バランスは大切に。
かといってマシュマロマシュマロマシュマロなんてやっても串焼きとしての料理の意味を問われるわけだが。
パチパチとあがる火にかける串を、焦げて駄目にならないようにじっと見つめる。「もういい?」「まだだめ」「もういい?」「もう少し」。待って待って待って、ようやくできた自分オリジナルの串にかぶりつく、あの一瞬!
一瞬のために十何分と待っているようなものだ。食い始めるとそこからは勝負。冷め切る前に全て食わなければならない。長すぎる串を使うと最後は冷えた食材が待っている。
自分の好きなものを、できるだけ冷めやすい物を先に、それでいて自分の食べたい順番に少しでも近くなるように。
考えながら作り出される串は、中々の頭脳プレーを要求してくる。
イチゴ味のおにぎり
米粒の崩れる感触と、甘酸っぱいフルーティーな味。
苺に見立ててゴマを入れ、感触の差にガクガクブルブルしながらやってくる海苔の塩味。
店によって海苔だったり昆布だったり柿の葉だったりするらしいが、俺はハズレを引いたのだろうか。
でも米エリアに差はないから…なぁ…。
当たりってなさそう。
なんというか、口の中で響き渡る不協和音のオペラ…?
おいしい血の炭酸ソーダ
実はこの年になるまで飲んだことが無かった。
家で見かけたこともないし、外じゃ自分の金で買うのはブドウ果汁のハーブティーばっかりでなー。
最近は「飲んだことない」ってだけで炭酸は避けてたし。
なんっつーか、個人的には新しい感覚って感じか。
味としては美味いんだが、耐性も何も無しに飲んだら舌が痛くて痛くて…飲みきるまでにここまで時間がかかるとは思わなかった。
舌が痺れるっていうかな。ヒリヒリするっていうのか? こういうのは。
飲みなれたものでもないし、これからもあんまり縁はなさそうな感じか。けど、嫌いではないかな。
九尾狐のしっぽ料理
上級つくねと言えば想像できるだろうか?
薬味から野菜から。合うものだけを選び、練りこんで焼く。ソースや醤油なんか邪道だというくらいに洗練された味。どんな人でも食えるようにと作られているが、製作者のお勧めは一味を振りかけてのチョイカラ風味。
七味ではなく一味にすることにより薬味で味が崩れることなく、その上でちょっとした辛味が持て成してくれる。
ミンチにせず切っただけの一本モノも一緒に出てくるが、こちらは照り焼きにして食感も楽しんでくださいとのこと。
野菜や種、魚のようにそこまで大きく差があるというわけではないけれど、一般市場に出ている肉類とはなんだか違う。狐ってだけでそこまで違うのか? と大将に訊いてみたが、干し肉を戻しているからそこまで違うんですよということを教わった。
干し肉なら持って出ても腐って捨てるなんてことはないので、なるほど冒険者向けだと関心させられた。
手軽ではないけども、これが高級というものなのだ。と。
以上60品をもちまして、能力アップアイテムの説明は終了する。
一体これだけの物の中のどれだけを、「食べたい! お腹減った!」と思わせるほどの文で書けただろうか。
この熱い熱い、煮えたぎる情熱を少しでも受け取っていただけたなら俺は嬉しい。
もうね、食ったり待ったりしてるだけでもヨダレ出てくるのに、書くために思い出すと今食ってるかのように味が出てきてさらにヨダレがな。な?
味が出てくるといっても食ってないのとかはないんだけども。でももうほんと、こういうのやってると自分がおかしい人に見えるくらい腹が減る。何の罠だ。
なんか後半ただの料理説明だよねとか。高級になるほど伝えにくいときたか。