縁の下での力持ち  DEX編

そろそろ表現方法がなくなってきてる。正直に言えば二日前くらいから。

ハチ蜜ブドウジュース
 ブドウの甘味と酸味を共に残しつつハチミツをとろーりと少量。ポイントはハチミツの鼻に付くような濃すぎる味を中和する赤ポーションだろう。
 ブドウジュースと蜂蜜さえあれば気軽に作れるんじゃない?
 とまぁ、そりゃそうだがそんなこともなく。自分好みの味が簡単に作れるのは正解だが、そこに至るまでは甘すぎたりブドウの味しかしなかったり。
 別に味なんてどうだっていいやーって人は適当に作ってるようだが、専用コップがないと作れないくらいに拘った人もいたりするわけで。
 そんな気を張らなくてもできるのがいいところなんだけど。
 個人個人の好みで作るのが一番美味しい家庭の手作りジュースだ。一番良く見るのは幼稚園でだが。

チョコレートムースケーキ
 大人が恋するほろ苦さ。
 フォークがまるで沈んでいくようだと言われる柔らかさに、噛むことも舐めることも必要ないと言われている。
 口に入れるとその瞬間から溶けだして、もっと残っていて欲しいのにいつの間にか消えてしまう。
 カカオの濃い苦味の中にある微かな甘味。溶け終わる直前にようやく見つかるそれは軽い中毒性をもっているのか、1つでは体も心も満たされないと一度に3つも4つも買っていく人ばかりだ。
 繊細な手つきで作られた見事なまでの造形に、見惚れて動けなくなってしまう女性がたくさんいるという。
 何故こんなものを冒険者が作れるのかが謎であるわけで。

フルーツミックス
 単純な果物のシロップ漬けだというのに、何故これほどまでに惹かれるのか。
 果物の甘味より強く、酸味より弱い。じっくりと煮込まれて完成したシロップは果物それぞれの一番おいしいところを引き出していく。
 甘味としては中々の濃さがあるものの決して飽きることなく、少なくは無い量を一度にぺろりと食べきらせてしまう。
 想像してみて欲しい。輝く黄金色の海の中を泳ぐ果実たちを。そしてそれを掬い上げ、一口放り込むところを。
 なんとも幸せな気分にならないか?

クリームサンドイッチ
 普通にうまい。困る。こういうのはコメントしようがない。肉とクリームチーズなんて普通にうまいに決まってる。
 ちなみにこちら各職業の交換学生により噂になり、全国の職業学校の学食に並ぶことになりまして製造本家では毎日朝から夜から製造に追われております。
 昼から夜の間に生地を作り、寝かせ。早朝にパンを焼き。冷ましながらチーズ野菜肉を切り、パンが冷めたらカット。ただひたすらに具を挟み、11時半に急いで各学校へカプラ転送。
 現在工場の規模拡大に伴いバイト・パートを募集しているとのこと。

グリーンサラダ
 君が体にいいねと言ったから、今日からこの日はサr
 外見だけ見てイメージするのはラフレシア。ひょっとしてラフレシアの姿盛りなのかとチョイとばかり後ずさってみるが実際はそんなことも無く普通にサラダ。
 しゃっきりした野菜に甘味ほど良いドレッシングが絡み、野菜嫌いの子供にも好かれる一品。
 健康ブームだからって体に良いだけを注目せず、楽しく美味しく誰でも気軽に食べれるように思案された庶民の星。

ピーチケーキ
 オレンジ練りこんだスポンジとノーマルなスポンジを交互にあわせ、間にはシロップ。
 一番上の層には桃のムース、てっぺんに可愛くお洒落にチョコと桃。
 女の子がきゅんきゅん言いそうな甘~いケーキとなっております。
 もうね、この沈んでくフォークがもうたまんない。

ソウルハントブレッド
 ふわっ、ふわっ、とろん
 噛んでる感触がしないほどにきめ細やかに作られたパン生地と甘く軽やかに作られたりんごのクリーム!
 恋する女の子の為に作られたんじゃないかと思うほどの繊細さ。
 包み込むように食べないと全てを台無しにしてしまいそうだ。
 …男が食っててごめんなさい。

スペシャルトースト
 いちご! 肉! チーズ! 甘口ソース! 辛口ソース!
 よし、落ち着け。まずは落ち着いて話そう。
 いいか。果物と乳製品と肉と甘さと辛さが出会うなんて、美味いわけが無いだろう? 現実的に考えて。
 レベル1の勇者が魔王に向かっていくようなものだぞ?
 と思ったらびっくりーっ!!?
 食わんほうがいい。マジで。

天上のフルーツジュース
 口の中で妖精たちが歌いながら踊っている。そしてそれが心地よい歌を響かせながら体中へとまわってゆく。
 果物のハーモニーとでも言えばいいのだろうか、恐る恐る口の中にやってきたソレは一歩足を踏み入れるとまるで魔法をかけるように目の前を明るく開かせてくれる。
 本当に人間が作ったのだろうか? 女神からの贈り物のような、自分の心にぬくもりをくれる不思議な飲み物だ。
 神の領域に土足で踏み込んだのではない。神が囁いて教えてくれたのだろうと思える神秘の味。他の何にも例えられない“何か”
 まさかこんなものに生きながらにして出会えるとは。
 こっそり入っているアルコールが心地よい気持ちにさせてくれる原因ではないだろうかと思う。

フベルゲルミルのお酒
 あまりの材料等の豪華さに、飲むとき手が震えた。
 すうっと澄んだ咽通りに、不快にならない温度。いくらでも飲めそうなのに適度に高いアルコール度で雲の上のような気分になる。
 お酒の割りに栄養豊富で病人に玉子酒の代わりに飲ませることがあるという話も。
 高いものなので金持ちじゃないと到底できない真似だが。

DEXは前半のが甘いものばっかりなんで続けて食うと口の中と腹の中がモゴモゴする。
アーチャーが皆甘党というわけでもないだろうので可哀想にと思うところは多々ある。
でもそれは辛いのがあるのと同じようにしょうがないことなのかなと。