総ては頭脳が決めるのさ…  INT編

せんせーといれー。
先生はトイレじゃないぞー。
そんなINT。飲み物ばかりのINT。

ブドウ果汁入りハーブティー
 ブドウの果汁にハーブを入れて…。それ、ティーっつーかなんっつーか。
 個人的には懐かしい味。魔法学校の学食であったなぁっていう学生の思い出が。
 ブドウジュースで頼むとハーブ入っててなー。学校外でブドウジュース飲んで違和感覚えたもんだ。
 馬鹿なこともしてたもんだ。

万葉の紅茶
 紅茶とか、そういうのとは違ってハーブのエキス抽出した(煮出したとも言う)味の付いたお湯と言うか。
 店に売ってるのはいいんだが、家で適当に「こんなもん」と思って作ると匂い濃すぎて死にかけるとかある。
 妥当にティーパックなんかだといいんだろうけども、それはそれでなんだかなぁ。
 紅茶というほど紅茶と思ったら後悔する。

ハーブハチ蜜茶
 ずずず・・・ほぅ・・。
 受験会場で最もよく聞く言葉のような気が…。受験シーズン、最もよく飲まれるお茶だ。特に徹夜の時に。
 家出る前にラベンダーだとか、勉強中はペパーミントだとか。
 ハーブティーは元々お茶産業でもっとも熱いもので、毎朝占いで今日のハーブティーのコーナーがあるし、客をもてなす時は大体ハーブティーにクッキー。大人の飲み物と言えばハーブティーレベルで今とてつもないブームである。
 受験シーズンは蜂蜜と共に売り切れ多数で常日頃から買い置きをしている人も少なくは無い。
 砂糖なんかよりも優しい甘味の蜂蜜がお茶に良く合うんだと。舌への刺激も少ないんでお勧めであると聞いている。
 毎週土曜はプロンテラ酒場でハーブティー講座をやっているほどの影響のしよう。精神的な効果もあってついつい飲みすぎてしまうけど、トイレが近くなるんで暖かいものでも飲み過ぎないようにしよう。大切な時は特に、な。

モロク果実酒
 狩り後の打ち上げに何故かよく使われる。因果は不明。
 果実独特の酸味と甘味が混ざり合い、かき消しあいそうになりながら咽の奥に吸い込まれてゆく。
 最初口に入れた瞬間は酸っぱいんだけども、認識した一瞬の間に甘味が酸味を押しのけて前に出てくる。
 香りもオレンジを基調としたもので、オレンジスターカクテルという異名を持つ人気のある飲み物。

マステラ酒
 この後もっと高級な酒が出るんですけど、このレベルでもう俺にとっては高い。
 一杯で小遣いの半分以上とでも言えば…通じないか。
 マステラは単体で食べると甘い割りに液体にすると後味が渋くて、ジュース向けではなかったんだ。それをどうにかできないかとジュース会社の人が考えに考え抜いて、レモンで渋みを飛ばすことを実行した。
 すると思った以上にレモンとマステラは合ってしまって、そこから広がる広がるマステラ産業。
 渋みも酸味と合わさると化学反応を起こしたように淡く消える味になってしまったという超常現象。
 あとはアルコールに合うかという問題だったんだけども、こちらも甘みとアルコールが喧嘩してるところを口直しに使っていた青ポーションで解決。
 お酒なのに飲んだ後頭がスッキリするというのが各業界にブームを巻き起こした。今こそ製造が間に合っているものの、発売当時は手に入れると胴上げされるくらいだったんだよなぁ。古い話だ。
 19なのに飲んでるーとかそういうのは、この世界ノービス終われば大方大人だから…。

赤いきのこワイン
 赤というから肉にあわせて飲んでみたが、あんま肉向けって感じではなかった。
 赤は赤でもブドウの赤だから合うのだろうか。口当たりが滑るようななめらかさで本当にワインかどうかも怪しいくらいの出来だ。
 キノコを入れることにより、90度方向性を変えてアルコールの味を軽くして深みもカット、代わりに遠くに届くような開放感を付け加えたなんかさわやかなものに仕上がっている。
 ワインの新境地…とでも言おうか。
 「こんなワイン、ワインなんて認めないんだから!」というワイン協会の声が聞こえる。

特製ローヤルハーブティー
 ハチミツの甘い濃い匂いとロータルが混ざって異次元を織り成すストーリーっ!!!
 24時間戦えますか。そういううたい文句が聞こえてこないか? っていう味に近い気がする。あれのしつこさを消して変わりに咽に残るハチミツを追加することによってほぼ完成。
 そもそも香りで安らぐハーブティーと、体によく効くローヤルティーという派閥があってだな。「あれねー。効くには効くんだけど私には合わないわ~」という両者同じ言い分がいつも繰り広げられて。出された直後に言う不届きものは居ないそうだが。
 うん、まぁ、よくわかる。よくわかるけど、もうちょっと抑えてもよかったんじゃないかな?

王室専用高級茶
 王室御用達はただの肩書きではない。噂以上の実力が体の底の熱い何かを奮い立たせる!
 電車男でベノアが噂になりましたが、高級感溢れるものも庶民には買えるものなんです。ちょっと値段は張るけども。
 ただのお茶なんて甘いもんじゃない! 最高の配分で合成された茶葉はなんと20を超える。香りも味も一級品。これに砂糖? そんな勿体無い。ストレートで飲まずに何で飲む!
 どこに行っても似たような褒め言葉ばかり見かけますが、そりゃぁ聞くさ、そりゃぁ言うさのレベルで質の高さは世界一ではないだろうか。信者が出るのも頷ける。
 注いでいるだけでも恐ろしいほどの麗しき姿だというのに、口にすると鼻の先へと上がる芳醇な香り。舌の上を隙間無く埋める豊潤な味。
 たった一杯のお茶なのに、右から左へと絶え間なく移り変わる姿に配分どころか現在の味の正体すらも掴めないほど。
 人間一度は飲んでみたい魅惑の一杯。

トリスタン12年
 見たことある人ならすぐわかると思うが、オレンジ味のワイン。
 王の即位記念のものということで中途半端なものは許されず、特に即位した年である12年前のものは一切の妥協無く作られた“至高のワイン”である。
 …と、聞かされている。12年たった今はそれなりに手抜かれているという噂は無くは無い。
 やはり12年前のものが一番味が纏まっている時期なのか、市場では高くて高くてこれ買うだけのためにどんだけ金稼ぎに行ったか。未開封230kですよ230k。リアル換算250万くらい。
 値段だけあって瓶開けただけで香りが舞うわ味は深いわでもうなんっつかアリエネ。

カクテル・竜の吐息
 ドラゴンが入ってるわけではない。
 竜が好きなタイプの材料を使っていて、飲んでみたら人と竜がひとつになるなんてゲドなことが起こって。
 ものすっごいなー、苦くしたいんだか甘くしたいんだかわからない味で頭シャッキリするんだが
 勘違いしてたが、カクテルってもアルコール入ってないんだな。混ぜるって意味でカクテルなのか?