体力だけは負けへんで。  VIT編

ROの情報で御馴染みのOWNさんが閉鎖されてしまわれたとのこと。
ROの世界の半分程度が閉鎖したとかログインせず情報を貰っての更新だとか、そういうのになっていて「これからどうなるんだろう」と不安にもなります。
だからといって情報サイトは閉鎖するなというわけでもありませんが、本当にROにとって現在というのは“これしかない道”だったのかなと考えるとそうでもなく。止められることではなかったけど、この道に来てしまったことを悲しむしかありません。
最初にこの世界を考えた人やこの世界をまわしている人は、今が現在のような形で本当にいいんでしょうか。
戻せないことだけど、戻せないことだから、悲しいことだってあるんだなと。そういう気持ちです。
本当に、お疲れ様でした。

蒸しガニ
 ただの蒸しガニだと思って侮る無かれ。
 北の果ての海で育った蟹に、ただでさえ風味の凝縮される調理法に特注ハーブを使うことによりカニとは思えぬ濃密度を叩き出し、食べてみれば精神は即座にカニワールドへと誘拐される。
 「これは料理が凄いのではない。素材が凄いのだ」
 この言葉をここまで納得させる食べ物というものも、そうありはしないだろう。

海の幸の生春巻き
 生春巻きの皮と魚介類の歯応えの差が生きている!!
 よく「溶けるような感触」とかあるけども、それの真逆だ。食感をしっかりさせることにより各々の存在感を引き立たせて、一緒に巻く食材もバランスを考えている。
 白身魚にカイワレ大根。軽い辛味が白身魚のほんわかした姿を彩らせる。赤身魚には食感薄い葉野菜に、よく水に浸したタマネギをプラス。貝類にはシャキっとしたレタスとニンジン。
 それぞれあわせるソースもこだわり、薄口から濃い口までどんとこい!
 あまりこういうところで使われるイメージの無い数の子なんかも使われてたりして新鮮さがある。
 とあるものは「シャクシャクッ」とあるものは「パリリィッ」とあるものは「シャクッ…もしゃっもしゃっ」何通りもの姿を楽しめる。それが生春巻きなのだ!

貝のお吸い物
 すうっと滑らかな口当たりに貝のコクが沁みる。
 出汁…というか、味のほとんどが貝から出ている。調味料は必要最低限。なので「これが貝の味か」と確認できるようなさっぱりとしていてしっかりとしたお吸い物に仕上がっている。
 一杯飲んだらおかわりが欲しくなる、やみつきになる味だ。

クラゲの和え物
 ちゅるるん。もぎゅ、もぎゅ。もぎゅごっくん
 なんで触手を入れるんだ?
 触手を入れるようになったのはクラゲが今より入手困難だった冒険者時代初期、それほど強くない冒険者達ばかりだった頃にクラゲの和え物が好物だった人が「この材料でなんとか作れないか」と料理屋の主人に頼み込んで作ってもらったものが最初だ。
 久しぶりの和え物と主人の優しさに、冒険者は涙を流して喜んだという。
 今はもうクラゲが獲れるようになったものの、あの頃の気持ちを皆に知って欲しい。思い出して欲しい、覚えていて欲しいということで、ただのクラゲの和え物ではなくこちらをチョイス。
 普通のクラゲの和え物が好きな時に食べれる分、触手入りの人気はちょい落ち状態だということだ。
 出典は図書館にあった「ミッドガッツの料理全集 vol.5」
 一部の世代の人には懐かしくて効能以上の効果が発揮されることがあるらしい。

辛口焼餃子
 パリッ じわっ ビリリッ じゅ~ん
 ピリ辛? そんなの目じゃない。ラー油が甘く感じる秘訣は混ぜりゃいいってもんじゃねーぞと言うくらい混ぜたいくつもの醤。
 それを人間が受け付ける程度を目安として作ってるから半端ない。
 だが後味までからすぎるわけじゃなく、あえて後に引かせない。そうすることにより10個20個と食べることを可能にしてしまう。
 甘みのもとは唯一の具。肉に混ぜこむ冬キャベツをフリーズドライにしてから戻すことにより、引き締められた濃厚な甘みをつけているんだ
 今まで何人もの人間が尻から火を噴く地獄を見たのか。なのにまだ被害者は増え続ける一方だという悪魔の料理。
 ちなみに7代目店主のデビル・クゥ(39)さんは現在お嫁さん募集中だそうだ。

めちゃ苦い薬
 何処から見ても漢方です。本当にありがとうございました。
 これを飲むときはジュースや蜂蜜を用意しておくか、オブラートに包むといいと思う。何もここまで苦くしなくても。
 味は青汁の元の粉末に椎茸風味混ぜ込んで食べるべきではない植物をあえて混ぜたと言うか。ハチミツも混ぜているらしいんだが、苦味にくどい後味を追加したような駄目な方向に役立っているというか、わざと後味出すためにクセの濃いハチミツを使ってやがるなと。
 老人なんかは健康のために好んで飲むとも聞く。年寄りって好きだよなぁ、こういうの。

特製山海珍味
 魚・肉・野菜の同窓会。
 ルッコラ・オレガノ等のハーブを含んだサラダの上に薄くスライスした白身魚数種と馬肉・牛肉を乗せて赤ワインのソースでいただくパッと見おフランスな料理だが、一口食べると自分が大地に包まれたような感情に巻かれて体の底から世界への感謝の気持ちが溢れ出す。
 どんなに嫌われた食材も、他の食材と遭遇することにより人々に好かれてゆく。自分という人間も、一人じゃ存在する意味が見えなくとも誰かと出会うことで意味を成していく。言葉じゃなく感情が直に心に伝わってくるんだ。
 食べ終わった後はくだらない悩みが全て飛んでいって、全く違う観点から案が出てくることが多くて上司が部下に奢る料理によく選ばれる。

特大包み料理
 皆さんは爆弾おにぎりというものを聞いたことがあるだろうか?
 一度は山の頂上で食べてみたい憧れ。あれによく似ている。
 ただこれは米だけで包んでいるのではなく、炊き込みご飯を小ぶりのカボチャに詰めて上から白米で蓋をして大き目の葉っぱで包むという新しい境地を見せてくれていて、カボチャも崩れそうで崩れなく、それでいて食べやすいなんとも計算された柔らかさでなんというか、凄い。
 中心に具を入れて包むのが主流なのだが、他の人に作ってもらう場合何が入ってるのかわからなくてな。交換しあってドキドキしてみたり、1つだけハズレ作って配布してみたり。
 真ん中に指輪入れてプレゼントしてみたけど思いっきり噛んで歯が欠けて喧嘩になったとか、そういう伝説を聞いたことがある。好意と取ってもらえるか、悪意に摩り替えられるかは賭けなのでやめておいたほうが無難だ。

竜の激辛スープ
 ドラゴンの肉はプリプリ感がない。魚みたい。
 基本草食なので臭みとかそういうのはないんだが(あっても香辛料で消されてるわけだが)、味に懐かしい感じのクセがある。なんだこれは。
 鍋の中身はほぼ丸々ドラゴンと言える状態で、野菜はほんの少し気分転換に程度。葉野菜ばかりが入れられる傾向にあるので他の野菜を入れてもいいと思う。味に合う程度での話だが。タマネギ・じゃがいも・キャベツ・ブロッコリーの芯がよくあるところ。ニンジンは好き嫌いが分かれるな。
 どっちかってーとちゃんこっぽいところがあるんで、その辺を真似てみるのもいいのかもしれない。スープっつーより鍋だな、鍋。
 出汁にミミズを入れるのが美味しさの秘訣と言っていたが、女性の前で言うのはやめておいたほうがいいだろう。

不死のチゲ
 これはまだ食ってない。
 ていうか食いたくない。死にたくないからな。
 これを考えた人間も人間だが、作って食ってる人間はもうちょっとこう、自分を見直してくれ。

VITは最後と薬を除いて基本美味そうなんだが利用する機会がなくって悲しい。