ジュノーでの悲劇

場所はジュノー。
1人の悪いウィザードが、世界・・・いや、この国を滅ぼそうとしていた。
大魔法、ロードオブヴァーミリオン。
天空遥か遠くより雷を広範囲に降らせ、敵に大ダメージを与える魔法。
その詠唱は、既に始まっていた。
避難を終えたジュノーの地に残る10名ほどの人々
男ウィザード、男ブラックスミス、女ハンター、女プリースト、女ハイプリースト、そして俺(男WIZ)。(覚えてる範囲)
魔法を受けても生き残っていれば、魔法使用者にダメージを与えられるというボーナスの為に、残った人々。
(その内BSだけが「やっべ、破産したらソイツに経験値いくんだっけ?!」とミスってた。)
覚悟も程々に、叩き落ちる雷たち、揺れる大地。
1人、また1人と倒れる。
「俺も死ぬんだよな。(ここに来ることによって色んな人に)迷惑かけちゃったろうな。」と思った。
するとハイプリーストさんは俺にヒールをかけてくれた。
だけどまだ余震のようなもの。大きく揺れ、崩れ落ちる家屋と大地。
住民の避難が遅れれば地獄絵図が出来上がっていただろう。
生き残った数名の人。
・・・思えば、俺はこの時から惹かれていたのかもしれない・・・。
ヒールをしてまわるハイプリースト。
傷ついた者を癒す其れは、まるで天使の祝福のようだった。
一通り街をまわると、一匹の犬が倒れていた。
毒か何かにやられたようだ。
それを見たハイプリーストは、近くにあった竹薮(うちの所有地だったらしいけど何で生えてんだ・・・)から、3本の竹を切り落とした。
それを抱え、犬に突き刺す。
解毒の一種らしい。
俺は・・それに触れてしまい(手助けしようとしたんだい(つД`))、呪術を失敗させてしまった・・・・・・。
すると急にハイプリーストは倒れてしまったのだ。
失敗すると術者に反動がいく魔法のようだった。
俺は・・・己を呪った。
毒に苦しみ、弱っていく彼女。
彼女のした魔法で、俺が治せれば・・そう思い、方法を聞いた。
アイテム[竹筒]3つと、数量の魔力、そして癒したい者を思う心。これがあればいいらしい。
「絶対に治すから、待ってて・・・。」
竹を振り下ろそうとすると、彼女は言う
「待って。術をその人に当てる前に、言わなきゃいけないの。その人を思う、心を。」
ぶっちゃけそれは難しいことだなと思った。(恥ずかしいからorz)
だけど・・・一時の恥ずかしさなんて気にしていられない。俺は語りかけるように言う。
「俺を助けてくれた、大事な人だ」
心の中とは違う想い。少しだけの嘘だった。
惹かれていた。好きになっていた。もう、どうしようもないくらい。
心の中で唱えながら、彼女のしたように、真似る。
治れと思った。強く、強く、これ以上無いくらい。
だけど、変わらず彼女は倒れたままで、顔色もよくならなかった・・・。(いや、反動は?)
広いジュノーの街
通り過ぎる人々
倒れる女と寄り添う男
近くをハンターとプリーストが通る。
「御願いです、彼女を助けてください」
訴えた。乞うた。だけど世間は無常なもので、彼女の所持金が多くてむかつくから嫌だと言った。
(彼女、80M持ってました。・・俺1M。)
言い放った二人はすぐに近くから離れた。逃げるかのように。
どんどんと弱っていく彼女。
「ヒール・・・ヒール!!!・・・・・くそっ・・さっきの(地震)で(ヒール)クリップも壊れて・・・・」
自分には、助ける術がなかった(彼女もヒールできないみたいだった)
俺は彼女を抱きかかえて泣いた。
いくつもの涙がこぼれ、彼女の肌に、服に、落ちる。
自分の無力さが悔しくて。遠ざかっていく彼女が悲しくて。
彼女は優しく語りかけた。
それが「ごめん」なのか「泣かないで」なのか、今はもう覚えていない。
・・・・彼女の最後の言葉だったのに・・・・・。
結局彼女は毒にやられて息絶えた。
結局最後まで、自分は何もできなかった。
道を歩む人々の口から、事件の首謀者の死が伝えられる。
だけど、俺にはもう、何かを聞く力なんて残っていなかった。
ただ、ただ、泣くだけで・・・・・

・・・という夢を見たわけだが。