ITを見た。今更。超今更。リメイクの方。
恐怖心を(調味料に子供を)食べる化け物という話なんだが、後悔は恐怖になりえるのかという部分が気になって仕方がない。
主人公以外の面々はシンプルに居場所を失うものだったり命を失うものが恐怖なのに、主人公だけが過去に囚われていることを恐怖と思っている。
家族が責めるわけでも、友達が気を遣いまくっているわけでもなく、居ないものに対しての自責なんだよな。
最後の小屋のシーンでどことなくそういうことかなと考える部分があるが、弟に許されれば罪が消えるかというとそうでもないので、そこだ。
自分のせいで弟が死んだと他人に責められるのを恐れているのならわからなくはないが、恐怖対象が弟単体なのが本当によくわからない。誰かに責められるまで繋がらないんだ。
他の子どもが消えることを恐れているわけでもない。死を確定するのが怖いなら27年経過時点で諦めがつく。彼は何と戦っているんだ。
この辺を考えると、肉屋の子の恐怖も過去の出来事で理由もハッキリしているので主人公寄りか。
言い方はどうあれ、この街で生きていけるように仕事と人の繋がりを作ってくれている大人がいるので、街との折り合いをつけやすいし恐怖を乗り越えやすい立場だ。
主人公も同様に乗り越えられる立場なあたり、精神的コピーで続編の都合上存在する補佐機っぽさがある。
実際こいつ続編での恐怖描写何あったっけ?
日本のホラーでも大概だが、恐怖の行きつく先は怪物でしかないんだなぁ。
ホラーは解決せずに恐怖は続くエンドか怪物倒しましたエンドになりがちで、見えないものは倒せないし、倒せるものはわかりやすくするために形あるものにするのが一番というのはわかるんだが、恐怖心……ようは自分自身と戦うっていう作品の一番のウリの部分は台無しになるよな。
いや、わかってるよ、あの作家SF作家ってこと。
こういう外生物だったENDを見るとインキュベーターだったらどうだろうかパターンを考えてしまう。
あいつは希望と絶望の落差でエネルギーをGETしていたが、恐怖を対象にしていたら子供たちの体験はこんな感じになっていたんだろうか。
消費と獲得のバランスが釣り合わなさそうだ。
それを言ってしまうとペニーワイズも子供一人に対してあの努力だからエネルギー効率は悪いのかもしれない。
にしても27年も冬眠するのに一人で一年ぶんくらいだろ?えらく効率的な燃焼機関だな。
なんとかしてこいつでタービンまわせねぇものか。
流し見だからおかしいところもあるだろうが、もっかい見るにしても通しで5時間は長いよ。