人殺しの家

とある日本家屋に移住した。
6畳の部屋が割り当てられ、自分の荷物がいつの間にやら設置されている。
ここは大広間を分割したような間取りの一部で、隣の部屋とは襖で繋がっていた。
逆隣は廊下というか縁側というか、その両方が混ざったような場所。
もう2面は箪笥やら荷物で封鎖されている。
唯一繋がった隣の部屋の住民はどうやら暫くいないらしいので、実質気にかけるものはあまりない。
勿論鍵なんてあってないようなもんで、一応かけるだけでだらだらしていた。

3時間ほど過ごしただろうか、同じ家屋に住む少年が部屋にやってきて俺の物を盗んでいこうといた。
しっかりと諭して、それに対しての罰も多少与えて問題は解決した。

少ししたら別の部屋に知り合いが住んでいることがわかった。
別の繋がりの人だが、男性(Aさん)と女性(Bさん)が1人ずつ。

男性のほうと部屋にいて談笑してると足音が近づいてきた、それと何か刃物の音。
振り返ると仮面をつけた小太りの男が経っていた。
ジェイソンのような風貌だ。
ジェイソンはAさんに切りかかって、Aさんは死んでしまう。
恐怖していると奴は部屋を出てどこかへ行ってしまった。

起きたことをBさんに報告した。Bさんはここに慣れているようだったから。
すると落ち着いた様子で彼女は口を開く。
「あいつは常に誰かを狙うの。遭遇するだけで狙われることもある。Aさんといて幸運だったね、連続で殺しはしないから」
続けて、常に家の中をうろついていることも教えてくれた。
なんて家だ。しかし行く宛もなく出ることはできない。

恐る恐る部屋にもどると、途中の廊下でまたしてもジェイソン遭遇してしまう。
即座に背を向けて逃げ出した。誰かいても、いなくてもいい、とにかく隠れないと。
必死で逃げるが願い虚しく斬りかかられ、俺は死んでしまった。

目が覚めるとまた日本家屋の中、Bさんの部屋にいた。
茶室のような部屋で囲炉裏が埋め込まれ、屏風が置いてある。狭さも相まって人が寝泊りするようなところには見えなかった。
そこにはBさんともう1人女性(Cさん)がいた。
運よく助かったのだろうか?
にしては痛みも何もなく、まるで蘇ったかのようだ。
Bさんは庭を指差す。
「あの人の視線を見て」
指した先には安楽椅子に座った白人のおばあさんがいた。
「彼女はジェイソンが狙ってる人がわかるの、視線の先に居るのがターゲットよ。だからもし見られてたら隠れなくちゃいけない。おばあさんが視線を外したら標的から外れるわ」

なんだ、そんなまるでゲームみたいなわけのわからないシステム。
不審に思いながらその人を見ると、遠くをぼーっと眺めて心ここにあらずな状態だった。
直後険しい顔つきになりこちらに振り向く。
標的フラグが立ったようだ、俺に。
といってもジェイソンはこちらの現在地を把握してるわけではないらしく、直進してはこないらしい。
Aさんの時は声でわかったのだろうか、身を潜めておばあさんの様子を観察した。
10分も経たなかっただろう。おばあさんはほっとした顔をして時計を確認しただ、また遠くを見つめだした。
これでフラグが外れたらしい。

するとおばあさんと一緒のところ……庭から中年の女性(Dさん)が我々のところにやってきた。
Dさんは俺の隣にいる人に包丁をふりかぶった。
すんでのところでCさんは助かる、Dさんを俺が殺したからだ。
そしたらすぐに、外見は忘れたがもう1人の女性(Eさん)もこっちにやってきてCさんを殺そうとする、俺はEさんも殺した。
皆怖がる様子はなかった。そうだ、俺も殺されてもここにいる。

「まさかここはずっと同じ1日が繰り返されるのか?」
Bさんに尋ねる。
「そうだよ、だけど私が死んだときに手がかりは残したから少しずつ解明していって、いつか皆成仏できると思う。久人さんもすぐだよ」

ここにいる人は皆同じ事件に巻き込まれて囚われてしまっているのだと、Bさんは言う。
ああ、そういえば俺も誰かに殺されたような記憶はある、その前にBさんの事件を聞いたことも。
外の世界の犯人が捕まって、俺たちを捕らえるものがなくなったらここから出られるのか。
けれど俺は待てなかった、殺し殺されて終わりの見えない時間なんて。
だからふっと気を緩めて。
夢から醒めた。

 

……というのが、つい今しがた見た夢の話。
仮眠で1時間寝ようとして1時間経過後も眠気に負けて1時間弱寝てたわけだが、その間に起こったことだ。

寝る前にシザーマンとか見るから……。