おおかみこども

見ました。金ロー。
この作品は姉が報われなさすぎて、いい子すぎてモヤモヤしか残らなかった。

家族愛の物語じゃなく、下に産まれた方が得をする話としか読み取れなかったな。
幼い頃は弟の方が振り回されたのかもしれないけど、それでも親の愛は弟に向けたもののほうがよく見えたから。
見えない愛は無いようなものだろう。
同時に愛でられても、比較するようになれば結局はマイナスだ。

甘えることや言葉にすることが上手な下の子供に対し、上の子供は聞き分けよくならなきゃいけないんだろうかと悲しくなる。
両方が同じようになることはできないし、自分がそうであることを決めたのだろうけれど。
それでも、言葉にはされてないけど「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」という空気が見えた。

作品を見て受け取る感想は人それぞれとはいえ、これで家族はいいなとか、恋愛はいいなって感想にはならなかったな。
多分、物語の終わりが幸せに見えないからだと思う。
親離れした子、子離れした親。立派な家族の姿なのかもしれない。
けれど誰もが自分の思いを表に出さず、秘めたまま勝手に動いている。
きちんとした話し合いがあったわけでもなし、それで上手くいったように見えるのは表面上だけ。
大人になるのが早いとしても、体と心は別のもの。
全員が大人になったなんて思えないし、ただの決別に見える。
信頼とかそういうのとは違う、そういうのは決してここにはない。
そう受け止めたからだろう。

手放しで「良かった」とは言えない。
数年後に見たらまた感想は変わるかもな。
そこに家族愛はあるんだろうけれど、今の俺としては「すっきりしない作品」という感想だ。