ぷち芸術の秋


関西文化の日。ってことで堺市駅すぐのアルフォンス・ミュシャ館いってきました!
こことか日本庭園とかは成人式に貰えるチケットで入れるらしいんだけど、入手する機会がないからこういう時に行ってみないとな。

館内は半分強がミュシャ作品だったわけだけども、それでも収められている作品数で考えると全然足りない。
習作とかの線画もあるらしいのに表にでてなかったんだ。是非見たかった!
それでもブロンズ像とか装飾とかも置いてあったので内容としてはがっつり。
こんなのも作ってたのか!って驚くほどだ。

作品は背景の所々にダークな雰囲気が漂っていて、邪推するのが楽しい。
分析してる人はいっぱいいるんだろうけど、自分なりの考察をしたくなる。
「愛人たち」っていうのが見てて楽しかったな。
この右上ってー。この天使(キューピッド)ってー。子供たちがー。とか、大きいところだけでも見ててハラハラ。
他も絵の一部分にだけ「あれっ?」って思う部分があったりして面白い。

個人的に好きなのはモエ・エ・シャンドンのメニューだなぁ。
置いてあったのはメニューとして使われるそのもののサイズっぽいんだが、細かいこと細かいこと。拡大したくてしょうがない。
こんなのを贅沢に使う料理店とか、それだけで胸いっぱいになりそうだ。
売ってなかったけど、これレターセットにありそうだよなぁ。欲しい。

あれ?そういえばMENUって書かれてるけど使ってたのはメニューって呼ぶエリアなのか。
場所によってはリストじゃないと通じないんだよな。メニューって言ったらコース持ってこられるらしい。
文字が入ってなかったけど、各々のページにコース書かれてた可能性もあるのかな?

ゴーフレットやクッキーの缶に使われた絵も、わかりやすくてよかった。
絵がわかりやすいというか、入稿の様子がわかりやすい。

ポスター展ということで他にも同年代のポスター絵が展示されていたんだが、背景描かない人とか結構いたり、かと思えば写真を切り抜いたかのようにしっかり描ききる人もいたりと様々。
共通点は手の描き方かな。顔は個性発揮しても手は「わかりやすく、かつ実物っぽく、美しく」な人が多い。
それでもそれぞれに味があったりして、皆自分らしさを売り出してるなって感じがしたな。
レタリングが苦手な人間からすると「皆よくここまでやるなぁ」って感じなんだけど。
テンプレートとかの絵画用小道具も色々あったんだろうか。
絵を見るとアトリエ……というか、その人の使ってた道具も見たくなるな。

道具を見たい、といえば他の人の絵がB5くらいの展示に対し、ミュシャはすっげぇでかかったんだが原寸ってことでいいんだよな?
俺の身長……いや、それ以上もあるような大きさの紙にバランスよく描けるってのがどういうことなのか理解できない。
版にするっていっても、拡大する際にミスするだろうから小サイズで描いてるとも思わないし。
印刷物として出来上がったものが展示されてるから原画は見れないので、原画にどのくらいの色の違いがあるのかもわからん。
そもそも元のは色がついてるのか?ってくらい。
厚塗りならわかるけど、見れる作品はインクが薄めるタイプのやつっぽいし。
リトグラフでの完成品だからってインクの種類も全然違うってことはないと思いたいんだが、どうなんだろうわからねぇ。
今でこそ版がなくてもできちゃう便利な時代になったけどさ、これを石版印刷でやってたってんだから恐ろしい。
一体どの版をどの順番に刷って、どういう風にインク乗せてたのかすらわかんねぇ。
細かいもんはとことん細かくて、版屋泣かせだよなぁ。

絵柄から今のほうが製版は楽なんだろうけど、あの時代だったからこその重ね具合があるわけだし、今の時代にいたら全然違うものになってるんじゃないかなぁ。
そう考えると「今でも全然通用する!」と一概に言えない気もするな。
今の技術は誤魔化すことが楽だけど、誤魔化せないからこそ良いんじゃないかなって。
あの線の取り方とか、背景の細かさとか、それは確かに今も通用するだろう。
けど今だと「綺麗なだけ」の作品になりそうで、そこが怖い。
もう一歩先に踏み込むには、今じゃダメなんじゃないかと。そう思ってしまう。

ミュシャといえばポップな描き方が浮かんでくるが、油絵もしっかり描いてるんだな。
晩年は油絵ばかりだったようだ。「スラヴ叙事詩」ってやつ。
遠近感がすごいっていうより、一部分だけ浮き出したような描き方してるっぽいのが縮小画像では思った。
実物がどうなのかは知らないが、不思議な感じのする絵だったな。
だから、ミュシャ風っていうのもそう呼んでいいもんなのかなーって考えさせられるようになったな。
今年の末までプラハ国立美術館別館で晩年の20枚の絵が展示されているらしいんだが、遠すぎる。
「今がチャンス!」とか言われましても物理的に可不可が!

物販がなぁ……。微妙に外してる気がするんだよなぁ。
前述したようなレターセットとか何故ないんだ。絶版したか?
しおりは良いと思うけど、ハンコは潰れるしなぁ。
一筆箋はあったけど、配置デザインが微妙に台無し感漂う。
全国まわってる大規模なミュシャ展ではA4サイズの本があるらしいが、買うならそれが欲しいなぁ。
あの細かさはポストカードじゃ小さくて見づらいだろうし、クリアファイルは嵩張るし。
家に置ける最大のサイズがA4だし、分厚いのに2000円らしいのでいっそ買ってしまおうか……。
ちなみに日テレ屋ウェブにて通販しているので今なら遠距離でも問題ない。
送料は630円とのこと。
中身確認してから買いたいところだけど、多分これは損しないよなぁ。
ステンドグラスの全体図が載ってるのがでかい。
そして殺傷力が高そう。

しかし小規模な堺の展示でも見疲れるのに、240点とか何日かけろってんだろうな。